学校の屋上
昼休み、俺は屋上へつながる階段へ向かっていた。
昼食時、俺を置いてアキラはどこかへ消え、俺は一人で昼食を取った。
「ったく、ひどいよね。俺をおいてどこかいこうなんて、いい度胸だよ・・・。」
俺は、吐き捨てるようにぼやいた。
階段を上り終え、扉を開けると、真昼の日差しが差し込んでくる。
太陽の光に目をならして、屋上全体の見渡す。
とても静かで、誰もいないようだった。
俺が何歩か踏み出しと、男子の真っ黒な学ランが目に入った。
顔は、タンクに隠れて見えなかった。
その少年は、寝そべっていて、遠くからみると、死んでいるようにも見えたが、まさかそんな事はないだろうと近づく。
「・・・・!!アキラ!!」
俺は不覚にも、顔がゆるみそうになる。
「はあ〜。俺を無視しといて、自分は気持ちよさそうに昼寝?ったく、本当にいいご身分だよ・・・。」
俺のボヤキを知らずして、当の本人は、気持ちよさそうに寝息をたてている。
俺はアキラの顔をのぞき込んだ。
「・・・・・かわいい・・・。人の気も知らないで・・・。」
俺はアキラに、少しふれるだけのキスをした。
「・・・・・アキラが一番好きな人は・・・誰・・・?」
もちろん、返事が返ってくるはずもない。
「五限目、遅れたって、知らないんだからね・・・。」
せっかく、気持ちよさそうに眠っている。
寝かせておこう。
俺は、屋上を後にするのだった。
「・・・・・・・・・・ったく・・・・・。人の気も知らないのは深司のほうだろっ!!/////」
屋上の扉が閉まるのを確認して、俺は目を開けた。
「寝顔がかわいいとか、キ・・・・キスまでしやがって・・・・。」
俺は顔が真っ赤だった。
「それに・・・・・。」
俺は青空を見上げながら、さっき深司がふれたばかりの唇を指でなぞる。
「一番好きなのは誰だとか・・・聞くなよ・・・。」
俺は体を起こして、前髪を掻き上げる。
「・・・・・・・お前以外・・・・・いるわけねえじゃん・・・・。」
屋上には、心地よい風が吹いていた。
あとがき
伊武神でした。
私の通ってる学校には、屋上とかないのでこういうの、憧れだったりします(笑)
高いところとか好きなので。
この頃、葵ちゃんにお世話になってばかりです・・・(汗)
本当にお世話かけます・・・。
感想、お待ちしています。
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